水ぶくれしたその亡骸は、川の上に浮かんでふわりふわりと流れ、誰にも知られぬまま海へと流れていきました。
不思議なことに、この亡骸もまたホタルになったのです。
これが、「海ぼたる」の正体でした。
二人の兄弟は、海ぼたるにそんな悲しい物語があるとは知りませんでした。
ただ、大きいから、かごの中に入れたらよく光るだろうと思っていたのです。
夜になると、海ぼたるはよく光りました。
川のホタルも負けずによく光りました。
「みんな、すごく光るね!」と、兄と弟は喜んで言いました。
しかし、翌日の晩は、どちらのホタルも前夜のようにはよく光りませんでした。
自然を家として、川の上や空を自由に飛んでいるものを、狭いかごの中に閉じ込めたせいかもしれません。
ホタルたちはだんだんと弱っていき、日ごとに小さな川のホタルから、一匹、また一匹と死んでいきました。
そして、最後に海ぼたるだけがかごの中に残りました。
しかし、その光もだんだんと衰えていき、なんだか一匹でいるのが寂しそうでした。
ある朝、二人はこの大きなホタルも死んでいるのを見つけました。
そのときすでに、じめじめした梅雨は過ぎ去り、空はまぶしいほどに輝いていました。
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