初級翻訳・赤ずきん 第2話

グリム ヴィルヘルム・カール

ちょうどそのとき、狩人が家のまえをとおりかかりました。
そして、
(ばあさんが、おっそろしいいびきをかいてるが、どうしたのかな。見てやらにゃなるまい。)
と、思いました。
そこで、狩人は、へやのなかへはいりました。
そして、寝床のまえまでいってみますと、そこにはおおかみがねているではありませんか。
「この野郎、とうとう見つけたぞ。よくも長いあいださわがせやがったな。」
と、狩人はいいました。
そして、すぐさま鉄砲をむけようとしましたが、そのときふと狩人は、おおかみがばあさんをのんでいるかもしれない、そして、もしかしたら、ばあさんの命はまだたすかるかもしれないぞ、と、思いつきました。
それで鉄砲をうつのはやめにして、そのかわり、はさみをだして、ねむっているおおかみのおなかを、ジョキジョキ切りはじめました。
ふたはさみばかり切りますと、赤いかわいいずきんが、ちらと見えてきました。
もうふたはさみばかり切りますと、女の子がピョンととびだしてきました。
そして、
「ああ、びっくりしたわ。おおかみのおなかのなかって、まっくらねえ。」
と、大きな声でいいました。
それから、おばあさんもまだ生きていて、おおかみのおなかのなかからでてきました。
でも、おばあさんはよわりきって、やっと息をしていました。
赤ずきんちゃんは、すばやく大きな石をたくさんもってきて、それをおおかみのおなかのなかにつめこみました。
やがて、おおかみは目をさまして、とびだそうとしましたが、石があんまりおもたいので、たちまちその場にへたばって、死んでしまいました。

これを見て、三人は大よろこびです。
狩人は、おおかみの毛皮をはいで、それをうちへもってかえりました。
おばあさんは、赤ずきんちゃんのもってきてくれたおかしを食べ、ブドウ酒をのみました。
それで、またすっかり元気になりました。
でも、赤ずきんちゃんは、
(これからもう二度と、ひとりっきりで、森のなかの横道にはいっていくようなことはよそうっと。おかあさんがいけないとおっしゃったんですもの。)
と、考えました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました