この年老いたアッカには、武器になるようなツメもないし、クチバシもないじゃないか。
それに、昼間に活動する鳥だから、夜になれば、嫌でも眠っちゃうんだ。
ところが、ネズミたちときたら、夜の暗闇で戦う動物なんだ。
だけどアッカは、もう、黒ネズミたちを助けようと決心してしまったみたいなんだ。
ユクシを呼んで、ガンたちをヴォンブ湖に連れていくように言ったよ。
けれども、ガンたちが言うことを聞かなかったので、アッカはきびしく言い渡したんだ。
「おまえたちが私の言うことを聞けば、それが、一番みんなのためになるんだ。私はこれからあの大きな石のお城に飛んでいかなければならないの。おまえたちが一緒についてきたら、きっとあの辺の人間たちに見つかって、撃たれてしまうでしょう。だから、私が一緒に連れていきたいのは、オヤユビくんだけなんだ。オヤユビくんは目がいいし、夜も起きていられるから、最高に役に立ってくれるでしょう」
ニールスは、この日はなんだかイライラしていたから、素直に言うことを聞く気にはなれなかったんだ。
アッカが言ったことを聞くと、すぐに体を起こして、両手を背中に回し、鼻をツンと上に向けて、前に出たんだ。
さて、そこで、ネズミとの戦いに力を貸すのは嫌だ、誰かほかのものにでも助けてもらうといい、とアッカに言ってやろうとしたんだ。
ところが、ニールスが現れた瞬間に、コウノトリは動き出したんだ。
そして、コウノトリがよくやるみたいに、頭を下げて、くちばしを首に押しつけて立ったよ。
そして、まるで笑っているみたいに、のどの奥をゴロゴロ鳴らし始めたんだ。
初級翻訳・ニールスのふしぎな旅 第22話
ニールスのふしぎな旅
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