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豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第3話

ただし相手が鳶だから、うまくかぶさるかどうかは分からないけれど、その代わり、鳶がちょうど首を突っ込めるくらい網の目は大きくしてあるそうです。 餌はイワシでした。「へえー、鳶が魚を食うのかね」「動物園の鳶は魚を食べています」 明瞭な答えに吉村...
豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第2話

だから、僕たち一つずつ貰いました。どうぞ、食べてみてください」 そう言うのです。眉から目、鼻筋にかけてキリッとした色白の顔立ちで、どこか開放的な雰囲気があり、おまけに言葉遣いがぶっきらぼうなのが面白く(もちろん、このことだけは李の前では彼女...
豊島 与志雄

初級翻訳・鳶と柿と鶏 第1話

一 丘の上の小道から、ゆるやかな上り坂の野原をはさんで、急な崖が続いています。そこには背の低い木々や小さな笹が茂っていました。 その崖の藪の中から、まるで熊か猪でも飛び出してくるかのようなガサガサという音がしたかと思うと、突然「わっ!」とい...
小川 未明

初級翻訳・鳥鳴く朝のちい子ちゃん 第2話

「ちい子ちゃん、あんた忘れたでしょう。小さいとき、道を歩いていて、前を行くお姉さんを見て『お母さん、あんな靴がいい、わたしあれがほしいわ』と言ったことを。そのお姉さんの靴は、かかとが高くて先がとがったハイカラな靴でね。ダンサーとか女優さんが...
小川 未明

初級翻訳・鳥鳴く朝のちい子ちゃん 第1話

ちい子ちゃんは、おふとんの中で目をさましました。どこからか、うぐいすの鳴き声がきこえてきます。「あら、ラジオかしら?」このごろは、お休みの日になると、いつも朝の放送で小鳥の鳴き声が流れるからです。でも、その声は、お隣のお庭の方からきこえてく...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥箱先生とフウねずみ 第2話

フウ、ちょっと待ちなさい。お前はいつも、わしが何か言おうとするとすぐに逃げてしまおうとするが、今日はまあ、少し落ち着いてここへ座りなさい。お前はなぜそんなにいつも首を縮めて、背中を丸くするのです」「だって先生。私の友達はみんな、もっと背中を...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥箱先生とフウねずみ 第1話

あるところに、ひとつの鳥かごがありました。鳥かごというよりは、鳥箱(とりばこ)と呼んだ方が、ぴったりくるかもしれません。その箱は、天井と底、そして三方の壁が、とても厚い板でできていて、正面だけが針金の網でできた戸になっていました。そして横の...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥をとるやなぎ 第2話

というのも、モズが群れで飛んで行って木に止まること自体は決して珍しいことではありません。けれど、今日のはあまりに急に落ちたし、もしかすると、あの馬を引いていた人の話の通り、木に吸い込まれたのかもしれないと思うと、なんだか本当のような嘘のよう...
宮沢 賢治

初級翻訳・鳥をとるやなぎ 第1話

「煙山(けむりやま)に、エレキのやなぎの木があるんだよ」 藤原慶次郎が、だしぬけに私にそう言いました。 私たちがみんな教室に入って、自分の机に座り、先生がまだ教員室に寄っている間のことでした。尋常小学校四年生の二学期が始まったばかりの頃だっ...
小川 未明

初級翻訳・魚と白鳥 第2話

白鳥が子どもの訴えを聞き入れるはずもありません。白鳥は子どもをくわえたまま、ある大きな岩の上に止まりました。そして魚の子どもを岩の上に置くと、こう言いました。「もうおまえは帰ることはできない。俺はおまえを捕まえたとき、すぐにひと飲みにしよう...
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