大久保 ゆう

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あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第14話

ぼくには、それをとめる力もありませんでした……。その子は、遠い目で、なにかをじっと見つめていました。「きみのヒツジがいるね。ヒツジを入れる箱も、口輪だってある……」そう言って、その子はさみしそうにほほえみました。ぼくは、ただじっとしていまし...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第13話

ぼくの耳には、まだ滑車が歌い続けているように聞こえた。揺れる水面には、朝のお日さまがふるえて映っていた。「この水がほしい」と王子くんがいった。「飲ませてちょうだい……」そのとき、ぼくはわかった。この子の探していたものが何だったのか!ぼくは、...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第12話

すると、またまた、ぴかっ、びゅん、ごろごろごろ。「さっきのおきゃくをおいかけてるの?」と王子くんはきいた。「だれもおっかけてなんかないよ」とポイントがかりがいった。「なかでねてるか、あくびをしてる。子どもたちだけが、まどガラスに鼻をおしつけ...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第11話

おいらは、ある足音を、ほかのどんなやつとも聞きわけられるようになる。ほかの音なら、おいら穴ぐらのなかにかくれるけど、きみの音だったら、はやされたみたいに、穴ぐらからとんででていく。それから、ほら! あのむこうの小むぎばたけ、見える? おいら...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第10話

「きみを見てると、かわいそうになる。このかたい岩でできた地球の上で、力もないきみ。おれなら、たすけになれる。自分の星がなつかしくなったら、いつでも。あと……」「もう! わかったよ」と王子くんは言った。「でも、なんでずっと、それとなく言うわけ...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第9話

それだとあまりに面倒だからな。だから博士は探検家に、それを信じさせるだけの証拠を出せと言うんだ。たとえば、大きな山を見つけたと言うのなら、その証拠に大きな石ころでも持ってこいとな」博士はふいにワクワクしはじめました。「いやはや、きみは遠くか...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第8話

ぼくが自分のものにしていることで、火山のためにも花のためにもなっているんだ。でも、きみは星のためにはなっていないよ……」仕事人間は口元を開きましたが、返す言葉が見つかりませんでした。王子くんは、そこをあとにしました。大人の人って、やっぱりた...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第7話

「王さまのところにいたときより、ずっと楽しいな」王子くんは心の中でそう思いました。だからもう一度、両手を叩いて拍手を送りました。見えっぱりは、またしても帽子を少し持ち上げて、お辞儀を繰り返します。五分間続けてみましたが、ずっと同じことの繰り...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第6話

その子はしかたなく立ったままでしたが、旅の疲れでへとへとだったので、思わずあくびが出てしまいました。「王のまえであくびとは、作法がなっておらん」と王さまはいいました。「あくびは禁じられているぞ」「がまんしようとしたんだけど、どうしてもできな...
あのときの王子くん

初級翻訳・あのときの王子くん 第5話

「お日さまといっしょにさいたもの……」この花、あまりつつましくもないけれど、心がゆさぶられる……と王子くんはおもいました。そこへすぐ、花のことばが続きます。「あさのおしょくじのじかんじゃなくて。このままあたしはほうっておかれるの?」王子くん...
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