火星兵団

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海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第57話

佐々刑事は首を左右にふって、こう言いました。「見かけなかったねえ」「いないのでしょうか。いったい、千二少年はどうしてしまったんだろう……」 先生の目は、心配の色でくもりました。「千二のゆくえもさがさなければならんがね」と、佐々刑事は言いまし...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第56話

(しまった!) と、思った時にはもうおそかった。火星人は、くるりと後をふり向き、先生の方へのこのこ歩いて来た。そうして、右手をふり上げたかと思うと、びゅうんという、うなりとともに、何だか鎖のように固いものが飛んで来て、先生の背をぴしりと打っ...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第55話

奇妙なことに、今さっきまで動いていた二つのボタンはあとかたもなく消え失せ、火星人の胸は前と同じように、ドラム缶のように固い表面があるだけになっていたのです。この時、火星人はすばやく跳び起きました。気味の悪い火星人と組みうちをしたことで、新田...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第54話

先生、あなたは、やっと、我々の話を、本気で聞いてくれるようになりましたね」「で、私に、政府へ話をしろと、おっしゃるのですか」「その通りです。そうして、こういうことも、よく話をしてもらいたいのです。わが火星の宇宙艇の着陸場として、この附近の山...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第53話

一体、自分を呼んだのは誰なのだろう?新田先生は、まばゆい光の中に顔を上げた。目の前に、一人の男が立って先生を見下ろしていた。黒い長いマントを着て、つばの広い帽子をかぶった長身の男だった。目には黒い縁の大きなメガネをかけている。「あっ、丸木か...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第52話

地球の人類が作るものなら、必ず鉄やジュラルミンなどを使うところだが、この火星のボートでは、そんな金属は一切使われていなかったのだ。それは、見たこともない青褐色の材料でできていた。先生が軽く叩いてみたところ、とても硬く、もしかすると鉄などより...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第51話

それから、また、少しずつ前へ這って行った先生は、ちょうど、体をかくすのにつごうのいい岩かげを見つけ、ここへ滑りこんだ。そして、そっと首を出して、例の西瓜のようなものが、一体何であるか見きわめようとした。西瓜のようなものは、人の頭であることが...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第50話

これがもし三日も早かったら、せっかく来ていただいても、お断りしなきゃならないところじゃった」「へえ、そうかい。僕は運がよかったというわけだね」 先生は、笑いながら、昔の勝手をよく知っている部屋へと上がっていった。弓形のおじいさんは大喜びして...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第49話

もっとも酸素吸入をやればいいということはわかっているが、火星へ着いてから、果たして我々たくさんの人間全部が酸素吸入が出来るほどの大設備がつくれるでしょうか」「第二の心配というのは、火星の生物と果たして仲よく暮していけるかどうかということです...
海野 十三

初級翻訳・火星兵団 第48話

特に、丸木に頭を激しく殴られた傷がとても深く、時間もかなり経ってしまっていたため、今後の容体がとても心配されました。そのため、すぐに救護班の手によって大急ぎで病院へ運ばれました。しかし、東京の街中が大パニックになっていたため、新田先生の手当...
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