豊島 与志雄

スポンサーリンク
豊島 与志雄

初級翻訳・金の猫の鬼 第1話

一 むかしむかし、台湾の南のはしっこにある見はらしのいい場所に、中国の海賊たちがやってきて、自分たちのすみかを作ってしまいました。そのため、近くに住んでいる人たちはとても困っていました。 なかでも海賊のボスは、おでこに一本のツノが生えた「鬼...
竜宮

初級翻訳・竜宮 第2話

この「魚の墓場」は本当にある話で、たいていの漁師は知っています。 昔、ある漁師がその魚の墓場を覗いてみると、そこに何か真っ黒に光っている物がありました。魚のような形をしていて、真っ黒なのに不思議なほどつやつやと光っているのです。「見たことも...
竜宮

初級翻訳・竜宮 第1話

竜宮豊島与志雄 今どき竜宮の話をするなんて、ちょっと変わっていると思われるかもしれません。でも、こんな時代だからこそ、竜宮の話をしてみるのも悪くないでしょう。 竜宮といえば、まず思い浮かぶのは昔話の「浦島太郎」です。 これは誰でも知っている...
狸のお祭り

初級翻訳・狸のお祭り 第3話

お父さんもお母さんも子どもたちも、それから森からやってきた大勢の子狸や孫狸たちといっしょになって、輪に入り、楽しく踊り騒ぎました。 御隠居さんがおもしろい唄を何曲も歌うと、それに合わせて大将の大きな狸が、見事な腹鼓のテンポをとってリズムを合...
狸のお祭り

初級翻訳・狸のお祭り 第2話

そしてこれまでのことをすっかり話したあと、なんとかあの狸をやっつけるいい知恵はないものかと尋ねました。 御隠居はふたりの話をにこにこしながら聞いていましたが、やがてこう言いました。「それはなかなかおもしろい狸だな」「おもしろいどころじゃござ...
狸のお祭り

初級翻訳・狸のお祭り 第1話

一 むかし、あるのんびりした田舎の村のハズレに、八幡様(はちまんさま)のお宮があって、そのまわりは小さな森になっていました。 それは、秋のとてもお月さまがきれいな夜のことです。 その八幡様の前を、鉄砲を持った二人の男が通りかかりました。 次...
父と子供たち

初級翻訳・父と子供たち 第1話

父親と子供たち豊島与志雄 ふだんの平和な暮らしの中では、父親というのは子供たちにとって、大きくて頼もしい友達のようなものであり、また雨や風をしのごうと守ってくれる家のようなものです。ときどき相手をしてくれて、あとはそこにどっしりと控えている...
楠の話

初級翻訳・楠の話 第5話

然し愈々その日が来た時、私は胸の底から何とも云えないものがこみ上げて来た。いつも見える楠の高い茂みが無くなって、村の木立の間にそこだけぽつりと穴があいてるのを、学校の帰りに遠くから認めた時、私は自分の胸にもそれだけ穴があいたような気がした。...
楠の話

初級翻訳・楠の話 第4話

皆恐ろしい顔をして前方を睥んでいた。それらの視線の前には、私の見知らぬ大勢の人が、地面に蓆を敷いて蹲っていた。着物を着てる者もあれば、腹掛に脚絆をつけてる者もあった。皆逞しい身体をしていた。蓆の片隅には種々な道具が置いてあった、鋸、斧、縄、...
楠の話

初級翻訳・楠の話 第3話

お友達みんなが狭い教室の中でじっと座っている間に、自分だけはこの広いお屋敷の中を自由に走り回れることが、楽しくてたまらなかったのです。大きなお庭の隅々まで歩いていると、ぼくの心はすっかり解放されて、のびのびとした自由を感じました。竹やぶの中...
スポンサーリンク