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江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄人Q 第3話

また、ぴしりっ、そして、「王手!」 鉄人のからだが、がくんと、くずれました。いよいよ、勝負がついたのです。すると、ああ、これはどうしたというのでしょう。おじいさんの目が、とびだすほど見開かれ、前にいるQの顔を、まるで、おばけでも見るように、...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄人Q 第2話

この顔も、鉄に絵の具がぬってあるんだよ」 おじいさんはそう言って、鉄人の顔を爪の先でコツコツとたたいてみせました。かたい音がします。それにしても、なんて上手にいろどられているのでしょう。いくらか黄色みのある顔色といい、耳も、目も、鼻も、口も...
江戸川 乱歩

初級翻訳・鉄人Q 第1話

ふしぎな老人 北見菊雄(きたみきくお)君は、小学校の四年生でした。おうちの場所は東京の豊島区(としまく)なのですが、近くに小さな公園があって、北見君は友だちといっしょによくその公園で野球などをして遊んでいました。その公園には、毎日のように見...
小川 未明

初級翻訳・金魚売り 第2話

「坊ちゃん、去年の金魚は達者ですか?」と聞きました。おじいさんは、この子供が、弱った金魚を大事に育てようといって、買ったことを忘れなかったのです。「おじいさん、金魚は、みんなじょうぶで、大きくなりましたよ」と、少年は答えました。「どれ、どれ...
小川 未明

初級翻訳・金魚売り 第1話

たくさんの小さな金魚たちが、おけの中で「ぱく、ぱく」と口を動かしながら泳いでいました。体じゅうが真っ赤なものや、白と赤のまだら模様のもの、頭のてっぺんがほんのり黒いものなど、いろいろな金魚がいたのです。おじいさんは、その金魚たちを前後二つの...
金魚

初級翻訳・金魚 第2話

それが、午後になってふと気がつくと、いつの間にか空は真っ青な雨上がりとなっていて、久しぶりに、黄色く生き生きとした日差しが、窓に迫った屋根瓦の黒い湿り気の上に差し込んでいました。よく見ると、そこには、下から覗き込んだ桐の木の梢、潤って重なり...
金魚

初級翻訳・金魚 第1話

街に金魚を売る声が聞こえる、五月の青々とした長雨の季節になると、しみじみとおふさのことばかりが思い出されます。今日も外では、蜘蛛の糸みたいな細い小雨がしとしとと降っています。金魚の鮮やかな赤色を思い浮かべるだけでも、なんだか胸が物寂しくなり...
小川 未明

初級翻訳・金色のボタン 第2話

」と、ゆり子ちゃんは、思って、目をぱっちりあけて見ました。ゆり子ちゃんは、はっとしたのです。おじさんの洋服の、金色のボタンが、いつか往来で、自分の拾ったのと同じだからです。「まあ、ほんとうに不思議だわ。おんなじボタンだわ。」ゆり子ちゃんは、...
小川 未明

初級翻訳・金色のボタン 第1話

ゆり子ちゃんは外へ出たのですが、だれも遊んでいませんでした。「みんな、どうしちゃったんだろう?」ゆり子ちゃんが通りをあっちへこっちへ見回しても、子どもの姿は一人も見当たりません。そのうち、ポン、ポンと、うちわ太鼓の音がして、下駄(げた)の歯...
知里 真志保

初級翻訳・金成マツとユーカラ 第1話

おばさんとは、もう2年近くも会っていなかった。なにしろ高齢で、すっかりお年を召していたので、私がテープレコーダーなどを持ってユーカラ(アイヌの叙事詩)の録音に行っても、同じところを何度も繰り返してばかりで、なかなか研究の資料としては使いにく...
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