人魚の姫

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アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第1話

海のはるか遠くへ進んでいくと、水の色はちっとも濁りのない、いちばん美しいヤグルマソウの花びらのようにまっさおになり、きれいに透き通ったガラスのようにすっきりと澄みわたっています。けれども、そのあたりはとっても深いので、どんなに長い綱をつけた...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第2話

「おまえたちが、十五になったらね」と、あるとき、おばあさまが言いました。「海の上に浮びあがることをゆるしてあげますよ。そのときには、明るいお月さまの光をあびながら、岩の上に腰をおろして、そばを通っていく大きな船を見たり、森や町をながめたりす...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第3話

船の人たちは、お姫さまが氷山の上に座って長い髪を風になびかせているのを見ると、びっくりして進路をかえていってしまいました。やがて日が暮れかかると、空は雲でおおわれました。稲妻がピカピカと光り、かみなりがゴロゴロと鳴りだしたのでした。黒い海の...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第4話

このありさまに、水夫たちはまた帆をおろしました。大きな船は、あれくるう海の上を、ゆれながらも、矢のように速くつき進んでいます。波は、大きな山のように、黒々ともりあがって、今にもマストをつきたおそうとします。船は、まるでハクチョウのように、高...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第5話

でも、この話を知っているのは、おねえさまたちと、ほかに二、三人の人魚の娘たちだけでした。みんなはごくなかのいい友だちにしか話さなかったからです。ところが、ぐうぜんなことに、その友だちの中に、王子のことを知っている娘がいたのです。その娘も、い...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第6話

心の底からおまえを愛するようになって、牧師さまにお願いをする。すると、牧師さまが、その人の右手をおまえの右手に置きながら、この世でもあの世でも、いついつまでも、ま心はかわりませんと、かたいちかいをたてさせてくださる。そうなってはじめて、その...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第7話

やがて、お姫さまは、森の中の、どろどろした広いところへきました。そこには、油ぎった大きなウミヘビがとぐろをまいて、気味の悪い、うす黄色の腹を見せていました。広場のまんなかに、一軒の家が立っていましたが、それは、船が沈んだときに死んだ人間の白...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第8話

お月さまが、美しく、明るくかがやいていました。人魚のお姫さまは、燃えるように強いくすりを飲みました。すると、もろ刃のつるぎで、かぼそいからだをつきさされたような気がしました。たちまち、気が遠くなって、死んだようにその場にたおれました。やがて...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第9話

だから、ぼくの心の中にある、その娘さんの姿も、押しのけられてしまいそうくらいだよ。でも、その娘さんは、あの修道院に一生いる人だから、幸福の神さまが、かわりに、おまえをぼくによこしてくださったんだよ。これからは、どんなことがあっても、離れずに...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第10話

ただただ、死んでからの、暗くて暗い永遠の闇のことばかりを考えていたのです。この世で永遠になくしてしまった、すべてのもののことを思っていました。その日の夕方、花嫁と花婿はそろって船に乗りこみました。お祝いの大砲がドーンととどろきわたり、たくさ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・人魚の姫 第11話

その姿も、人間の目には見えないものでした。つばさがなくても、からだが風船のように軽いために、空中にふんわりとただよっているのでした。人魚のお姫さまは、そのふしぎなものたちと同じように、自分のからだもすっかり軽くなって、あわの中からスルスルと...
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