下村 湖人

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下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第34話

おそらく兄の方では、自分の威力に恐れて孔子が逃げ出した、とでも思っているだろうが、孔子は元来兄を人間扱いにはしていないのだ。人間扱いにされない兄! 思っただけでもぞっとする。それに次兄の子(しこう)と云い、三兄の子車(ししゃ)と云い、どうし...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第33話

明日までには、きっとはっきりするからさ!」「ふん、なんだよ、調査って!あいつらの奏でる音楽にすっかり骨抜きにされちまって、隊長さんまで『あれは孔子の一行にちがいない』なんて言い出すような調査なんて、まっぴらごめんだね!」「だいたい、音楽だけ...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第32話

顔刻はその音を聞くたびに、眼玉をきょろつかせて、みんなの顔を見まわした。子路は再び部屋に戻ってきて言った。「先生は、こちらからあまり刺激するようなことはしないで、静かに待っている方がいい、と仰せられている。ただ先生が心配しておられるのは、顔...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第31話

そして、この事があってから間もなく、晉の国の趙簡子が、孔子を迎えるために、わざわざ衞の国に使者を遣わした時、彼は国境まで孔子を見送って、一語でも多くその教えをうけることにつとめた。1 子陳に在りて曰く、帰らんか、帰らんか。吾党の小子、狂簡に...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第30話

そして、「自分はいったい、これから何をしようとしているんだろう? 自分の計画そのものが、そもそも常識外れのめちゃくちゃなことなんじゃないか?」と、急に不安になり始めたのだ。(もし孔子先生から、「自分は霊公に直接仕えるんじゃなくて、ある大夫(...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第29話

彼女の日々の生活を見聞することは、道に生きんとする孔子の到底忍び得ざるところであった。ただ、衞にはすでに多くの門人が出来ていた。魯は孔子の故郷(ふるさと)だけあって、門人の数も非常に多かったが、魯についで門人が多かったのは衞(えい)の国であ...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第28話

私はこれまであの音を聞くたびに、いつも思っていたのですよ。もし本当に天のお声を伝えてくれる木鐸というものがあるならば、とな」彼はそこで探るように門人たちの顔を見回していたが、ふたたび厳粛な顔つきに戻って言った。「お分かりですか。貴方たちの先...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第27話

そしてごく無愛想に、「お逢い下さるそうです」そう言って彼は、次の室にいた若い門人を呼んで、奥に案内するように言いつけた。関守は、これまでの熱心さにも似ず、冉有の顔を見もしないで、「そうですかい、それはそれは」と言いながらのそのそと室を出て行...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第26話

詩を学ぶならば、人間の心を奮い立たせ(興す)、世の中の善悪を観察し(観る)、多くの人々と仲良く協力し合うことができ(群す)、自分のなかの不正に対する正当な怒りや不満を上品に表現する(怨む)ことができるようになる。身近にはしっかりと父に仕え、...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第25話

それに、詩には、鳥獣草木をはじめとして、天地自然のあらゆる知識をしっかりと吸収できるという利点もある。また『礼』とは、人間の最も調和のとれた美しい心の、具体的な姿のことだ。その根本にあるのは、相手を敬い、そして自分を譲るという心構えである。...
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