久生 十蘭

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久生 十蘭

初級翻訳・新西遊記 第11話

そうして10日ほど歩くと、最初の大きな川にぶつかりました。それはチベットで一番大きな川、ブラマプートラ川の上流でした。氷河が溶け出して流れる、標高5000メートル(1万6000尺)もの高い場所にある川です。マイナス10度の凍りつくような寒風...
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初級翻訳・新西遊記 第10話

氷河の平らなところまで這い上がると、狭い隙間を通り抜けてくる狂ったような嵐が、地面にあるものをすべて吹き飛ばしてやろうという勢いで、容赦なく吹き荒れています。氷河が終わったところから岩の割れ目をたどり、ノロノロと苦しい登りを5分やっては休み...
久生 十蘭

初級翻訳・新西遊記 第9話

お客さんが来ると、垢で真っ黒に光るあの長い袖で、おわんのふちをグイッと拭いて、「さあ、お茶をどうぞ」とすすめてくれるのです。「世界中にこれほど不潔な人たちがいるだろうか」と智海さんは思いましたが、すべてはチベットに入るという願いを叶えるため...
久生 十蘭

初級翻訳・新西遊記 第8話

「目的を果たすまでは、仏様の教えを完璧に守り、汚い食べ物は口にせず、托鉢でもらった清らかなもの以外は食べないこと」「日本人としての家族や友人との縁をすべて断ち切り、この一生でもう二度と両親や兄弟、友達には会わないこと」……そして一番恐ろしい...
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初級翻訳・新西遊記 第7話

さらに、チャンドラさんにチベット語を教えたという、チベットで一番偉いお坊さんのセンチェン・ドル・ジェチャンさんは、亡くなった後でさえ、とんでもなくひどい罰を受けました。その遺体は1年もの間、毎日100回も川に沈められ、骨に残った肉をスプーン...
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初級翻訳・新西遊記 第6話

麻の服を着て、竹の帽子をかぶり、荷物を包んだ風呂敷を腰に巻き、足にはワラで作った「わらじ」を履いた、まるでお坊さんのような格好で山口智海(やまぐち ちかい)が日本を出発した明治30年まで、チベット探検の歴史はそんな失敗の連続でした。しかし、...
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初級翻訳・新西遊記 第5話

アフリカ大陸の奥深く、サハラ砂漠の真ん中には、黒人たちのイスラム王国の文化の中心地である「トンブクトゥ」という学問の都があります。そこにあるサンコレ大学には、ギリシャやラテン語の詩の写本や、アラビア語の古い本が集まっていると言われていました...
久生 十蘭

初級翻訳・新西遊記 第4話

大修験師は「これで厄鬼を追い払った」と言い放ち、ようやく法皇を医者たちの手に委ねました。ここから、いよいよ本当の治療が始まります。侍医長が十人ほどの医官を連れて部屋に入ってきました。まず腕から一ヴァース(約一合五勺)の血を抜き(瀉血)、肩に...
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初級翻訳・新西遊記 第3話

ヨーロッパのカロリナ刑法は、閉じ込めて餓死させる(お腹を空かせて死なせる)ためのものでしたが、チベットのやり方は違います。餓死させる部分を取りのぞき、代わりにドイツのハンブルグで行われていた鎖の拷問や、スペインの体を締め上げる拷問を組み合わ...
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初級翻訳・新西遊記 第2話

平均の高さは五千五百メートルもあり、冬にはマイナス四十八度まで冷え込むため、誰も住めない凍った荒野になります。六月、七月、八月の三ヶ月間だけ、あちこちに家畜を連れた人たちのテントが見られるだけです。もう一つの「本部」と呼ばれる地域は、日本の...
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