神州天馬侠

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吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第29話

それを見た怒りに燃えた入道は、「ええ、ふがいない部下どもめ! こうなったからには、この梅雪が自ら蹴散らしてくれよう!」両の手綱を左手にまとめ、右手に陣刀をふりかざすと、あわや乱戦の中へ馬首をむけて駆け入ろうとしました。とその時、「しばらく、...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第28話

そこへ、一陣の心地よい風が吹きました! 彼を狂喜させた便りは、まさに天の果てから届いたのです。クロの足に結びつけられた伊那丸の血文字、そして竹童が持ち帰ってきた果心居士の手紙。彼はあふれ出る涙を拭いながら、その二つの手紙を何度も何度も繰り返...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第27話

「加賀見忍剣(かがみにんけん)どのへ知らせんこの状を手にされし日ただちに錫杖(しゃくじょう)を富士の西裾野へむけよたずねたもう御方あらん同志の人々にも会い給わんかしん居士」四竹童はとても困ってしまいました。心の底からどうしようと途方に暮れま...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第26話

よいか?」「これに乗るんですか、お師匠さま! なんだかあぶなくないですか?」「たわけ者めが!」 喝! とものすごい声で叱りつけた果心居士は、竹童が「アッ」と言うまにその襟首をグッとつかみ、「エーッ!」という気合とともに、片手で力いっぱいほう...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第25話

ニッコと笑って丘の上に立った咲耶子が、サッと一閃、笛を振り上げれば敵がかかり、二閃、サッと横に振れば退き、三閃すればたちまち姿を隠す――それは神変ふしぎな「胡蝶の陣」でした。天翔る鞍馬の使者一今日も棒切れを手に持って、友だちの小猿を二、三十...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第24話

すぐにしっかりと調べさせます!」「仏像を作っただけで、一番大切な魂を入れないような中途半端なことは、この家康が大嫌いじゃ。伊那丸の首と、御旗楯無の宝物を両方そろえて持ってきてこそ、はじめて『見事な働きをした』と言えるのだ」「どうか、ここ二月...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第23話

立て! こっちの隅へ寄っていけ!」ズルズルと引きずってきて、伊那丸を拝殿の柱へ縄尻にくくりつけた。龍巻はそれをきっかけにして、「じゃあ殿さま、伊那丸はたしかに渡しましたから、約束の金をこっちへ出してもらいましょうか」「む、いかにも褒美をつか...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第22話

島から伊那丸が逃げ出したにちげえねえ、てめえの腕でぶち落としてみせろ!」「えっ、伊那丸とは、いったいどういうことで……」「そんなことをグズグズ話してる暇はねえ! おお、またこっちへ近づいてきやがった、早く撃てっ!」「がってんさ!」小幡民部の...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第21話

名も知れぬ荒くれどもに辱められるくらいなら、いっそこの海の底に……」夜は冷たい磯の岩かげに組んだ小屋で眠る。だが、そのあいだでさえも、鬼神(羅刹)のような手下たちが交代で見張りをしているのだ。「そうだ、あの親船が戻ってきたら、もう最期の運命...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第20話

「肥前の国から来た侍、浪島五兵衛という者でございます。二、三人の家来も連れており、いかにも身分の高そうな男でございます」「ふむ……。それで、その者が何の用があって余に会いたいと言っているのか」「その浪島と名のる侍が、あるときにルソンから海の...
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