小川 未明

スポンサーリンク
ろうそくと貝がら

初級翻訳・ろうそくと貝がら 第2話

ところが数日後、娘がふと窓の外を眺めてみると、あのとき捨てた貝がらたちが、すっかり美しくかわいらしい黄色い花へと生まれ変わって咲いていたのです。その日から娘は、朝も夜も楽しそうに歌をうたいながら、その黄色い花を摘んで大切に遊ぶのでした。
ろうそくと貝がら

初級翻訳・ろうそくと貝がら 第1話

一 海のすぐそばに、小さな一軒の家がありました。 その家には、お母さんと女の子が二人で、ひっそりと暮らしていました。 それでも二人は一生懸命に働いて、どうにかこうにかなんとかその日の暮らしを支えていました。 お父さんは二年前、海へ漁に出かけ...
ゆずの話

初級翻訳・ゆずの話 第1話

お父さんが大切にしている植木鉢のゆずの木に、今年も大きな実が二つなりましいた。この二つの実は、夏の頃からお互いにライバル意識を燃やして大きく育とうとしていましたが、どちらも限界まで大きくなると、今度は「どちらがより美しくなれるか」と言わんば...
ものぐさなきつね

初級翻訳・ものぐさなきつね 第1話

一 星は、毎晩さびしい大空でキラキラと輝いていました。そして地上を照らしていましたが、だれも星を見上げて心をなごませてくれる者はいませんでした。星は、それをどこか心細く思っていたのです。もしも、ニワトリが朝早く起きて、そのかしこそうな黒い瞳...
もずとすぎの木

初級翻訳・もずとすぎの木 第1話

若くて元気なモズが、風をきってスズメを追いかけてきました。スズメは一生懸命に逃げて、葉っぱが真っ黒に見えるほどしげったカシの木の中へシュッと飛び込みました。モズはついにスズメを見失ってしまったので、近くにあった高いスギの木のてっぺんに降りて...
みつばちのきた日

初級翻訳・みつばちのきた日 第2話

雪割草は、あの温室を出たことを少しも悲しいとは思っていませんでした。ただ、あの大好きなサクラソウとお別れしたことだけが名残惜しくて、ここまで運ばれてくる途中も、サクラソウの姿を思い出しては涙ぐんでいたのでした。でも、明日また一緒になれると知...
みつばちのきた日

初級翻訳・みつばちのきた日 第1話

雪割草(ゆきわりそう)が、ぱっちりと目を開けてみると、びっくりしてしまいました。なぜなら、これまで見たことも、考えたこともないような、ぽかぽかと温かいお部屋の中にいたからです。しかも、自分のまわりには、色とりどりの美しいお花が、たくさん咲き...
みけの ごうがいやさん

初級翻訳・みけの ごうがいやさん 第1話

茶トラの猫の「あかとら」が、三毛猫の「みけ」に出会って、「その首につけている、ピカピカ光るものはなにい?」と尋ねました。「うちの飼い主のぼっちゃんが、つけてくれた鈴なんだよ」と、みけが答えました。「どれどれ、ちょっと歩いてみてよ」みけがトコ...
ぴかぴかする夜

初級翻訳・ぴかぴかする夜 第1話

都会から、そう遠くない場所に、ぽつんと一本の高い木が立っていました。ある夏の日の夕方のこと、その木は、恐怖のあまり、ぶるぶるーっと全身を震わせていました。遠くの空で、ゴロゴロと雷が鳴る響きが聞こえてきたからです。木は、小さいころから、雷が恐...
びんの中の世界

初級翻訳・びんの中の世界 第2話

これじゃありませんか……?」おじいさんは歯の抜けた口をもぐもぐさせながら、細い、しわだらけの手を伸ばしてびんを受け取りました。そして、びんのまわりをなでまわすと、正坊がやったように、びんの口を太陽の方へ向けました。「おお、これだ、これだ、ま...
スポンサーリンク