小川 未明

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小川 未明

初級翻訳・赤いえり巻き 第2話

」と、しっかり顔をあげて答えました。「とんびが? あの赤いえり巻きをさらっていったっていうのかい?」奥さまは思わず笑われました。「はい、昨日の昼ごろ、さらっていっちゃったんです。」みんなは顔を見合わせて笑いました。「本当かい?」「嘘なんじゃ...
小川 未明

初級翻訳・赤いえり巻き 第1話

お花が東京へ働きに出ることになったとき、お姉さんは、妹に何を買ってあげようかと悩みました。二人は遠く離ればなれになってしまいます。お花は、まだ見たこともないようなにぎやかで美しいものや、楽しいことがたくさんある大都会に行けることがなんとなく...
小川 未明

初級翻訳・読んできかせる場合 第1話

お母さんたちが、何か心配事でもあって、じっと考え込んでいるとします。いつもなら元気よくお話をしてくれるその時ばかりは、まったく言葉もなく口を噤んでしまい、いつもはにこにこと優しい顔で、笑顔の絶えなかった人が、なんだか暗い様子で、視線を一箇所...
小川 未明

初級翻訳・角笛吹く子 第2話

広くて、広くて、野原は一面まっ白な雪におおわれていました。子供はその雪の中を、おばあさんの先頭に立って、元気よくはだしで進んでいきました。北の地平線は、灰色にぼんやりとかすんでいました。そこには、まだ春は訪れていなかったのです。「おばあさん...
小川 未明

初級翻訳・角笛吹く子 第1話

町の四つ角に立って、一人の男の子がうろうろと歩き回っていました。子供ははだしで、足の指を赤くしていましたけれど、本人はそれを気にする様子もありませんでした。短い黒い着物をきて、伸びた髪の毛は、まるでハリネズミのようにツヤツヤと光っていました...
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初級翻訳・親木と若木 第2話

翌年の春になると、この小さな山吹の根もとから、今度は新しく元気な芽が土を破って、力強く頭を伸ばしてきました。しかも、二本、三本とそろって、その芽は見ていて気持ちがいいほど、ぐんぐんと勢いよく伸びていったのです。「お母さん、山吹の木から、あん...
小川 未明

初級翻訳・親木と若木 第1話

どんな木でも、大きく育つと、その根もとから小さな芽がひょっこり顔を出すものですよね。孝ちゃん(こうちゃん)の家の生け垣のそばには、山吹(やまぶき)の木がわさわさと茂っていました。ふさふさとした枝は重たそうにしなり、きれいな黄金色の花をたくさ...
小川 未明

初級翻訳・雪の国と太郎 第2話

「どこかに隠れているんだろう」と乙が言いました。そしていつまで待っていても、太郎の姿は見えませんでした。その日はそれで帰りましたが、また次の日になっても太郎の姿は見えませんでした。学校へ行っても、家へ帰ってから出かけていっても、とうとう太郎...
小川 未明

初級翻訳・雪の国と太郎 第1話

【はるかなそりの跡】 この村には、七、八歳から十一、二歳くらいの子どもが五、六人いましたけれど、だれひとりとして隣の村の太郎にはかないませんでした。太郎は、まだやっと十二歳になったばかりでした。けれども力が強くて、歳のわりに体が大きく、手足...
小川 未明

初級翻訳・自分で困った百姓 第1話

一 ある田舎に、二人の百姓が住んでおりました。ふだんは、とても仲よく暮らしていました。二人ともまじめで、一生懸命に働いていましたから、毎年たくさんの作物がとれて、どちらも困るようなことはありませんでした。あるとき、甲(こう)が乙(おつ)に向...
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