小川 未明

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小川 未明

初級翻訳・考えこじき 第2話

そういえば、今自分たちが遊んでいる道も、なんとひどく傷んでいることだろうと気がつきました。戦時中に開いた穴が、まだそのままになっているのです。「ねえ、きみ! 夜中に通る人が、この穴に落ちないだろうか」清吉は、道に開いた穴を指さして友達に話し...
小川 未明

初級翻訳・考えこじき 第1話

人間というものは、一つのことに夢中になって考えていると、ほかのことはすっかり忘れてしまうものです。それに、どんな時であっても、人は自分の頭で自由に考える権利を持っているものです。ある日、清吉はおじさんと一緒に町へ出かけました。おじさんが用事...
小川 未明

初級翻訳・翼の破れたからす 第2話

「カラスは翼を痛めても、お医者さんに行って治すこともできないだろうし、どうしているんだろう? あんなに雨や風が激しい日には、どこでどうしているんだろう?」太郎は、あのかわいそうなカラスのことを思わずにはいられませんでした。彼はもう、そのカラ...
小川 未明

初級翻訳・翼の破れたからす 第1話

西の山のふもとの森の中に、カラスたちが巣を作って暮らしていました。毎日、朝のまだ空がうす暗いうちから、カラスたちはみんなで列を作って、東の空へ向かって高く飛んでいくのでした。そのころ村では、もう起きている家もあれば、まだ眠っている家もありま...
小川 未明

初級翻訳・羽衣物語 第3話

彼は仕事に疲れたときなど、いつも大空を見上げては、天女のことを思い出しました。すると不思議なことに、天女は雲の上から星のように輝く目で下界を見つめ、彼を慰め、励ましてくれたのでした。
小川 未明

初級翻訳・羽衣物語 第2話

「天女さま、こう申しますのもお恥ずかしい話ですが、私はまだ独り身なのです。もし、あなたさえ承知してくださり、私の妻になってくださるなら、あなたのためにこの命も捧げます。人間の身で天上のあなたを慕うのは、分をわきまえないことかもしれませんが、...
小川 未明

初級翻訳・羽衣物語 第1話

一 昔は、今よりもずっと松の緑が深く、砂の色も真っ白で、日本の景色はそれはもう美しいものでした。 ちょうど、今から二千年ほど前のことです。三保の松原の近くに、一人の若い舟乗りが住んでいました。 ある朝のこと、東の空がようやく明るくなりはじめ...
小川 未明

初級翻訳・縛られたあひる 第2話

そのうちに、自分がどこにいるのかも忘れ、あの居心地のよかった古巣がこの近くにあると思い込んだのか、急にそこが恋しくなって探し始めました。しかし、それがかえって自分を窮地に追い込むことだとは、あひるは気づいていませんでした。穴から頭を出して、...
小川 未明

初級翻訳・縛られたあひる 第1話

川のほとりに、三本のぶなの木が立っていました。冬の間、枝に残った枯れ葉を、北風が吹くたびにさらさらと鳴らしていました。まわりの木々はみんな静かに眠っているというのに、このぶなの木だけは、ずっとひとりで歌をうたっていたのです。ここからは、遠く...
小川 未明

初級翻訳・紅すずめ 第2話

すずめは木の枝に止まっては、あのこまどりの聞き覚えのある歌声がどこからか聞こえてこないかと耳を澄ませました。そして、こちらの林からあちらの林へと伝い歩いて探しました。ちょうどそのとき、以前会ったあのからすに出会いました。「からすさん、からす...
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