透明怪人

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江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第14話

それなのに、まるでそこに手があるかのように、パジャマのそでがヒラヒラと動いています。ベッドのそばには、白くぬった小さなまるいテーブルがありました。首のないパジャマの男は、そのそばに近づきました。大友君の目は男のあとを追って、テーブルのほうに...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第13話

大友君がそうして屋根の上にひらぐものようすがりついたときには、自動車はもう走り出していたのです。自動車は交番をさけて、暗い町から暗い町へと、三十分あまりも走りました。怪人物も運転手も、自分たちのすぐ頭の上に少年探偵団の副団長がつきまとってい...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第12話

黒いズボンが何かに持ちあげられるように地面からスルスルとあがってグニャグニャ動いていたかと思うと、ひとりでシャンと立ったのです。つまり、ちょうど人間がズボンをはいたようなかたちに、二本の足で立っているのです。立っているばかりではありません。...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第11話

八つの目が、金庫のとびらを、くいいるようににらみつけていました。 島田少年は、そうしてじっとみつめていると、何かもうろうとした人の姿が、金庫のそばに立っているように感じました。「オヤッ。」と思って見なおすと、もう何も見えません。 気のせいだ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第10話

そこはひとりがやっと通れるほどの狭いコンクリートの階段になっていて、それを六段ほどおりると、金庫の前に出ました。上下四方とも厚いコンクリートでかこまれた、四畳じきほどの地下室です。もちろん、そこの天井にも電灯がついています。「さあ、ここです...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第9話

」「なるほど、それだけ厳重になっていれば、大丈夫でしょう。あなたの書斎の上げ蓋を、当分開けないことですね。あいつは、目には見えないけれども、幽霊とはちがって体があるのですから、入り口が閉まっていれば、入ることはできません。しかし、あいつはな...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第8話

きみの家にはきっと、あいつが欲しがっている何かがあるんだよ」「うん、そう言えばお父さんも、なんだかそんなことを言ってたっけ。でも、ぼくにはくわしく教えてくれないんだ。うちにはどうやら、あいつにねらわれるような秘密のものがあるらしいんだけどさ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第7話

しばらく使わないで、お座敷の縁の下においてあったのですが、いま見ると、そのローラー・スケートがしばふのまんなかに、ならんでいるのです。いや、そればかりではありません。それが、ひとりで動いているのです。ちょうど人間が足にはめているように、たが...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第6話

やっと気をとりなおしたふたりの店員は何かわけのわからぬさけび声をたてて人形のあとを追いました。怪物は通路を右に右に左にとまがりながら、ひじょうな早さで走っていきます。だれもとめるものはありません。ろう人形の顔を一目見ると、あまりのおそろしさ...
江戸川 乱歩

初級翻訳・透明怪人 第5話

きみたちは知るまいが、あの仏像は推古仏といって、百万円の首飾りよりも、もっとねうちのある品物なんだよ。だが、ぼくはとうとう、あいつを、たしかめることができた。いままでは、もやのようなものしか見えなかったが、きょうこそは、あいつが、服をぬぐと...
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