海野 十三

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人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第7話

ウララ夫人は、その一年のあとに東京を去った。どこへ行ったのか、はっきりと知る人は誰もいなかったけれど、ちょうどそのころサンタマリア病院の若いマクレオ博士も病院を辞めて、自分の国へ帰っていったということだ。問題の人造人間は、事件のあとにどこか...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第6話

親切心があるなら、課長に電話をかけて、ラジオのスイッチをひねる許可をもらってくれませんか?」「そうか。そいつは素敵なアイデアだなッ」「ええ? スイッチをひねることが、どうしてそんなに素敵なんですか?」 と、警官は目を丸くして驚いた。しかし帆...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第5話

それとも、まったく別の外部の人物なのでしょうか。お留守番のばあやに話を聞いてみたところ、博士はいつも夜の七時から七時半までを夕食の時間にしていて、それが終わると睡眠薬を一口飲んで、今博士の死体が横たわっているベッドにもぐりこみ、九時半までの...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第4話

「AK(東京放送局)の文芸部に聞いてくださればすぐに分かりますよ。つまり手短に言うと、私の書いたラジオドラマが今夜8時から30分間、全国に放送されたんです。出演者はPCL(映画会社)の連中でしたがね。そんなわけで、私はずっとAKのスタジオに...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第3話

だが、この人造人間が果たして動くものなのかどうか、われわれにはさっぱり分かっていない」「なにを言ってるんです、雁金(かりがね)さん。こいつが動くことだけは確かですよ。今だってこいつのお腹の中では、機械がしきりにゴトゴト回っているんですから。...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第2話

彼は後ろの方で、深いため息が二つ聞こえるのを聞いた。帆村は気にせず、竹田博士研究所の門の前に近づいた。石段の上に、玄関のドアが開け放たれていて、その奥には電灯が一つ、寂しい光を投げかけていた。しかし、人影はない。彼はそのまま石段を上っていっ...
人造人間事件

初級翻訳・人造人間事件 第1話

1 理学士の帆村荘六(ほむらそうろく)は、築地(つきじ)の夜を散歩するのがとても好きだった。その夜も、彼は一人ぼっちで、冷たい秋の雨に濡れながら、明石町の河岸(かし)から新富町の濠端(ほりばた)へ向かってブラブラと歩いていた。暗い雨空を見上...
人造人間エフ氏

初級翻訳・人造人間エフ氏 第9話

それから二日おくれて、正太少年は、ひとりさびしく汽車にゆられて東京についた。少年は、なにをおいても、郊外にある家へかえって、病床にある母にあいたかった。しかし本当のことをいったら、母はどんなに心配するかもしれない。母にはすまないが、マリ子は...
人造人間エフ氏

初級翻訳・人造人間エフ氏 第8話

これ、もうにがさんぞ」 そういって切符掛は、少年にとびつくがはやいか、力にまかせてねじふせてしまった。この少年の顔をよくみると、ふしぎにも、正太少年と、そっくりの顔をしていた。ほんとうの切符 このしらせが、船長のところへいった。船長はおどろ...
人造人間エフ氏

初級翻訳・人造人間エフ氏 第7話

飛行機の方で少しでもぐずぐずしていれば、今の砲撃で機体はバラバラになるところだった。それにすぐ気づいて、見事に編隊をとき、よけた海軍機たちもさすがだった。そう思っていると、つづいて二回目の砲撃だ。どどーん、ぱっぱっぱっと、ものすごい音を立て...
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