海野 十三

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今昔ばなし抱合兵団

初級翻訳・今昔ばなし抱合兵団 第2話

入壕証は、そのへんで落としちゃったんです」「そのへんで落としちゃったんなら、これから行って拾ってくるがいいじゃないか」「それが……」 役人は意地悪そうな顔つきで、私をにらみつけている。しかたない。なけなしの財布の底をはたくよりほかに方法がな...
今昔ばなし抱合兵団

初級翻訳・今昔ばなし抱合兵団 第1話

1 なにはともあれ、あの有名な金(きん)博士の存在は、現代における最大の奇跡なんだ。博士にお願いすれば、どんなに難しそうに見える科学や技術だって、解決できないものなんて一つもない。「雲を呼んでくれ」と博士にお願いすると、博士はそこに並んでい...
人造人間殺害事件

初級翻訳・人造人間殺害事件 第4話

首領(リーダー)が立ち上がって説明した今日の会議のテーマは、アジア製鉄所で空前絶後の大ストライキ(盟休)が起きようとしていること、さらにそのストライキには政治的な意味合いがたっぷりと含まれており、所長が大事に保管している某大国との秘密の契約...
人造人間殺害事件

初級翻訳・人造人間殺害事件 第3話

病人はいま手当をしませんと、手遅れになってしまいますから!」「劉夫人」と名前を呼ばれたことで、夫人の態度がふっと変わった。「いったいお前は誰だい。その病人はどこから来たのさ」夫人は急にガラリと荒っぽい言葉遣いになった。「お話しできるような、...
人造人間殺害事件

初級翻訳・人造人間殺害事件 第2話

もっと若くてカッコいい騎士がたくさんいるんだから、そっちの人を探してみたらどうですか」「あなたは、少しもわたしの気持ちを分かってくれないのね。あなたと同じ国に生まれたこのわたしの気持ちが、どうしてあなたには分からないのかしら。こんな遠い異国...
人造人間殺害事件

初級翻訳・人造人間殺害事件 第1話

その早朝、まだ夜が明けていない上海の街は、エンドウ豆のスープみたいに黄色く濁った、ものすごい濃い霧の中にすっぽりと沈んでいました。窓という窓のぶ厚い板戸をしっかり閉めたうえに、そのすき間にはガーゼまで詰めておいたのですが、霧はどこからともな...
人造人間戦車の機密

初級翻訳・人造人間戦車の機密 第4話

「大丈夫に決まっておりますとも! ちょうどたった今、すべての準備がすっかり整いました!」「ですから、この夕日を浴びながら、輝かしい人造人間戦車隊の進撃をご命令いただこうと思って、実はただいまここへ参ったようなわけでして……」 と、油学士は急...
人造人間戦車の機密

初級翻訳・人造人間戦車の機密 第3話

天下にその名を轟かせる金博士の発明品に、実際に作ってみて動かないとか、組み合わせても機能しないだなんて、そんなインチキなことがあろうはずがございません。現に、私が博士の元を去るときに、博士からこの人造人間戦車の模型を見せていただきましたが、...
人造人間戦車の機密

初級翻訳・人造人間戦車の機密 第2話

それから十年――ついにこの砂漠の一角に、十年計画の重工業地帯が完成したのを機に、密使の油蹈天(ゆとうてん)をはるばる上海に遣わし、金博士の最新発明である「人造人間戦車」の設計図をだまし取らせたのであった。今や工学士の油蹈天は、大任を果たして...
人造人間戦車の機密

初級翻訳・人造人間戦車の機密 第1話

1魔都・上海に、夏がやってきた。だが、金(きん)博士は、汗一つかかずに、しきりに大きな手回しの発電機をクルクルと回している。部屋の中の温度計は、いまちょうど十三度を指していた。ものすごく涼しい部屋である。それもそのはず、金博士のこの実験室は...
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