野村 胡堂

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楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第23話

「月光ソナタ」はビクターのバックハウスの演奏を私は支持しますが(JD489-90)、ポリドールのケンプによる、ドイツらしい重厚で良い演奏も捨てがたいです(30108-9)。「ワルトシュタイン」は三十二のソナタの中でも華やかな曲ですが、シュナ...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第22話

ビクターから出ている、トスカニーニがN・B・C交響楽団を指揮した「第五」は、コンサート会場のような残響を取り除いた不思議な録音です。そして、一見すると素っ気ないようでいながら、クライマックスに向けてどんどん盛り上げていく燃え立つようなパワー...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第21話

ベートーヴェンは見た目も冴えず、浮浪人と間違えられて警察に捕まったことがあるほど、粗野な様子をしていたのです。若い頃、女優のマグダレーナ・ウィルマンに結婚を申し込んで「醜いから」という理由で断られたのを手始めに、テレーゼ・フォン・ブルンスウ...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第20話

ベートーヴェンの傲岸さには数え切れないほどの逸話がありますが、その性格の底流には、人並外れた「人間愛」と、人懐っこさがあったということも忘れてはなりません。ベートーヴェンの伝記を記した人々は、彼が本来は友達を好み、寂しがり屋で、愛情に満ちた...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第19話

一七七〇年十二月、ドイツのボンという町で、音楽家の家系にルードヴィッヒ・ファン・ベートーヴェンは生まれました。彼の父親はボンの宮廷で働く音楽家でしたが、意志が弱く、お酒におぼれるような人で、息子を導く立派な指導者とは言えませんでした。その一...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第18話

**歌劇、宗教音楽、歌曲** 歌劇についてですが、ビクターから発売されたグリンドボーン音楽祭による「モーツァルト歌劇協会」の全曲レコードは、世界のレコード史上でも輝く偉業です。すでに「コシ・ファン・トゥッテ」(JD1294-1313)、「ド...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第17話

清楚な中に情熱を秘めた、不思議な魅力を持つモーツァルトです。他にも、ギーゼキングによる「ソナタ 変ロ長調」のレコードがあります。**弦楽その他の四重奏曲、五重奏曲** モーツァルトの室内楽――とりわけ弦楽四重奏曲や五重奏曲は、それ自体が珠玉...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第16話

ハイフェッツ盤(ビクター JD378-81)は録音も新しく、手際も実に見事です。その技巧は冷たいほどに冴え渡り、人間離れした美しさを放っています。第6番の「ヴァイオリン協奏曲変ホ長調 K.268」は、ティボー盤とデュボア盤があります。ティボ...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第15話

ある夏の日、灰色の服を着た背の高い、厳粛な雰囲気の男がモーツァルトを訪ねてきました。その男は一曲の鎮魂曲(死者の霊を弔うための曲)を依頼し、莫大な謝礼を約束しました。まるで地獄の使いのように不気味な男で、注文主の名前さえ明かそうとしませんで...
楽聖物語

初級翻訳・楽聖物語 第14話

十三歳の時、ローマのシスティーナ礼拝堂で、合唱隊が門外不出の秘曲「ミゼレーレ」を歌うのを聴いた際、モーツァルトは宿に帰ってくると、それをそっくりそのまま暗記で書き留めました。二度目に聴いた時には、ほんの少しの訂正を加えただけで、完全にその秘...
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