宮沢 賢治

スポンサーリンク
イギリス海岸

初級翻訳・イギリス海岸 第1話

夏休みの十五日間、農場の実習をしている間に、ぼくたちが「イギリス海岸」というあだ名をつけて、二日や三日おきに仕事が一区切りつくたびによく遊びに行った場所がありました。そこは本当の海岸ではなくて、いかにも海岸のような雰囲気をした川の岸です。北...
よく利く薬とえらい薬

初級翻訳・よく利く薬とえらい薬 第2話

すると今度は、林の中の小さな水たまりの葦(あし)のなかにいたよしきりが、急いで言いました。「おやおやおや、これはいったい大きな皮の袋だろうか、それともやっぱり人間だろうか、驚いたもんだねえ、驚いたもんだねえ。びっくりびっくり。くりくりくりく...
よく利く薬とえらい薬

初級翻訳・よく利く薬とえらい薬 第1話

清夫は今日も、森の中のひらけた場所へばらの実をとりにいきました。ひんやりと冷たい森の中へ足を踏み入れると、さっそくつぐみが飛んできて言いました。「清夫さん。今日も薬をとりにきたのですか。お母さんはどうですか。ばらの実はまだありますか。」清夫...
めくらぶどうと虹

初級翻訳・めくらぶどうと虹 第2話

「虹さん! 私を連れて行ってください! どこへも行かないでください!」虹は、ほんのすこし微笑んだように見えましたが、その姿はもうずいぶん薄くなっていて、はっきりとは分かりませんでした。そして、今はもう、すっかり消えてしまいました。空はまぶし...
めくらぶどうと虹

初級翻訳・めくらぶどうと虹 第1話

お城の跡(あと)では、オオバコの実が実り、赤ツメクサの花は枯れてこげ茶色になりました。そして、畑のアワもすっかり刈り取られました。「刈られちゃったぞ!」と言いながら、ひょっこり一回だけ顔を出した野ネズミは、慌ててまた穴の中へと引っ込みました...
ひのきとひなげし

初級翻訳・ひのきとひなげし 第2話

承知した、証文を書きなさい」「さあ大変だ、あたし字なん書けないわ!」とひなげしどもがみんな一緒に思ったとき、悪魔のお医者はもう持ってきたカバンから、印刷された証書をたくさん取り出しました。そして笑って言いました。「では、そのわしがこの紙をひ...
ひのきとひなげし

初級翻訳・ひのきとひなげし 第1話

ひなげしたちはみんな真っ赤に燃え上がり、それぞれ風にぐらぐらと揺られて、息もできないほどでした。そのひなげしの後ろの方で、やっぱり風に髪も体もめちゃくちゃに揺すられながら、若いひのきが言いました。「おまえたちはみんな真っ赤な帆船なんだよ。そ...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第7話

あらゆる世界のできごとが、みんな集まっている」そこで子どもたちは、急にいろいろなことを尋ね出しました。一人が言いました。「ここには図書館もあるの? 僕、アンデルセンのお話なんか、もっと読みたいなあ」別のひとりが言いました。「ここの運動場なら...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第6話

かばいながら、一郎はどこからともなく、「にょらいじゅりゃうぼん だいじゅうろく……」というような言葉が、かすかな風のように、あるいはすてきな匂いのように、心にふと感じられました。すると、なんだかまわりがホッと楽になったような気がして、「にょ...
ひかりの素足

初級翻訳・ひかりの素足 第5話

それは灰色のトゲがギザギザと生えた鎧(よろい)を着て、髪の毛はまるで火が燃えているようで、ただれたような赤い目をしながら、太い鞭を振り回して歩いていたのです。その足が地面に触れるたび、地面はガリガリと音を立てました。一郎はもう恐ろしさのあま...
スポンサーリンク