海野 十三

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海野 十三

初級翻訳・透明人間 第22話

歯をくいしばってがまんしたが、うめき声はひとりでに高くなり、ついにぼくは気絶してしまったんだ」ケンプ博士は、おそろしさに身ぶるいしながら、心のなかで、(やつの魂は悪魔にみいられているにちがいない。でなければ、ふつうの人間に、そんなおそろしい...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第21話

その光景は、なんともいいようのないくらい、ぶきみなものだったよ」「それで……」「白い羊毛がすっかり消えて、ぼくの目に見えなくなったときには、まるで信じられない気がしたよ。ぼくはそっと、羊毛をおいたあたりをさわってみた。すると、どうだ! やは...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第20話

そしてふつうのうすいガラスが、光のすくないうす暗いところなどでは見にくいわけは、光をほとんど吸収しないし、はねかえすことも、おれまがる度合もすくないからなんだ」透明人間はむちゅうで、しゃべりまくっている。ケンプ博士はあきれ顔をして、じっと相...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第19話

まるっきり、夢をみているのか、気がちがっているのか……わけがわからない」 なんダムも頭をふりながら、廊下をゆっくりと歩いて書斎にはいった。博士は、ぐったりといすに身をなげだして、もの思いにしずんでいたが、「そうだ、新聞を見れば、なにか手がか...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第18話

信じてくれたまえ、ケンプ!」「では、話してみたまえ」「話そう、が、そのまえにすまないがウィスキーと食事と着る物がほしいんだよ。じつはけがをしているので、傷はいたむし疲れきっているんだよ」「食べ物に着物だって……すこし待ちたまえ、なにかあるだ...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第17話

おおかた、子どものいたずらでございましょう」「子どものいたずらか」 お手伝いがひきとっていくと、博士はスタンドを手もとにひきよせ、一生けんめいに書き物をはじめた。部屋の中はしずかで、時をきざむ時計の音だけがきこえている。夜の二時になった。博...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第16話

三人が息をころしてドアを見つめていると、奥の部屋から、ひょいとトーマスが顔を出して、「家じゅうのドアは、みんなしめてありますかい? 透明人間のやつは、きっとぐるっとまわり道をして、あいているドアをさがすはずですぜ。悪魔のように、ぬけめのない...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第15話

人もいなければ動物もいません。ただ金貨だけがふわふわとかなりの速さで飛んでるんですよ。わたしが近づいたとたんに、どこへともなく消えてしまったんです」 かれらは口をそろえて言った。「そして驚くじゃありませんか。その金貨は、どうも、ほうぼうの金...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第14話

やつの口から透明人間なんていうでたらめが飛び出して、あちこちへ広まっていったんですからね」 船員は、半信半疑の表情でトーマスの顔をじっと見つめた。「だが、新聞に載っているし……それに、りっぱな人たちが証人になっているじゃないか」「うそですよ...
海野 十三

初級翻訳・透明人間 第13話

ベンチの上にはれいのノートが三冊、革ひもでしばっておいてある。テーブルクロスの包みのほうは、とちゅうで透明人間の気がかわり、ブランブルハーストをでたところの松林ですててしまったのである。トーマスのようすはひどくへんだった。せかせかとあたりを...
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