ワンダ・ブック――少年・少女のために――

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ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第1話

【訳者のことば】『ワンダ・ブック』(1852年発表)は、「少年・少女のために」書かれた物語ですが、決して子供向けだからといって手加減をして書かれたものではありません。作者のナサニエル・ホーソン自身が「はしがき」でそう語っている通りです。ホー...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第2話

昭和十二年七月三宅幾三郎    目次はしがき       ――――――――――――― タングルウッドの玄関(「ゴーゴンの首」の話の前に)ゴーゴンの首 タングルウッドの玄関(話のあとで)       ――――――――――――― シャドウ・ブル...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第3話

彼はこうして活字になるような話をしたことを、非常な名誉だと思っているからです)――彼の名はユースタス・ブライトといったのです。彼はウィリアムズ大学の学生で、たしかこの時にはもう十八歳にもなっていたかと思います。だから彼は、ペリウィンクル、ダ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第4話

風が勢いよく吹いてきて、その箱を沖へ押し出し、怖い大波がそれを上下にゆすぶりました。その間、ダネイはわが子を胸に抱きしめて、今に大きな波が、その泡立った波頭を彼ら二人の上にぶつけてくるのではないかと、びくびくしていました。しかしその箱はどん...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第5話

というのは、これらの恐ろしいゴーゴンたちの何より怖いところは、もし我々無力な人間が、彼らの顔をまともに見つめでもしようものなら、間違いなく、温かい肉と血が、たちまち冷たい死んだ石になってしまうということでした。だから、君たちにもすぐわかる通...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第6話

さあ、これから出かけよう。お次は、三人の白髪のおばあさん探しだ。そのおばあさんたちが、水の妖精たちがどこに住んでいるのかを教えてくれるからね」「三人の白髪のおばあさんですって!」とパーシウスは叫びました。冒険の途中でまた新しい面倒なことが起...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第7話

だから、三人の白髪の婆さんのうち誰か一人だけには物が見えるけれど、ほかの二人は真っ暗闇だということ、それから、その目が手から手へと渡されているちょっとの間は、この可哀想なおばあさんたちの誰もが、ちっとも物が見えないということが、すぐにわかる...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第8話

あなた方が僕にニンフたちの居場所を教えてくだされば、すぐにあなた方の目を、そっくりそのまま、元通りよく光っている状態でお返しします」「ニンフだって! これはまあ! 姉妹のみんな、この人はどんなニンフのことを言っているんだろうねえ?」と、スケ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第9話

翼の生えたスリッパとか、すべてこういう高く飛ぶ仕組みというものは、誰でもそれにいくらか慣れるまでは、なかなか扱いが難しいものなのです。クイックシルヴァはパーシウスの、自分ではどうすることもできない活発さを面白がりました。そして、「まあ、そう...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第10話

幸いなことに、寝ている姿勢のせいで、彼らの顔はパーシウスの方からは完全に見えないようになっていました。というのも、もし彼が少しでもその顔を見てしまったら、その瞬間に冷たい石の像となって、空から真っ逆さまに墜ちてしまったはずだからです。「今だ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第11話

今でもその巨人の名で知られている山が、ちゃんとあるのだから。とうとう、勇敢なパーシウスは島へ帰り着きました。そして、なつかしい母親に会えると思っていました。ところが、彼の留守の間に、悪いポリデクティーズ王がダネイに対して大変ひどい仕打ちをし...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第12話

それにしても、にいさんはマーキュリをクイックシルヴァ(水銀)にしてしまったり、また彼の姉妹の話を混ぜたりなんかして! あんまりおかしいじゃないの!」「じゃあ、あれは姉妹じゃなかったのかい?」とユースタス・ブライトは訊ねました。「ぼくがそれに...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第13話

「しかし、どうもさせられそうだね。これもあんまり評判を取ったおかげだ! 僕はもっとずっとのろまに生まれるか、それとも、天から授かった立派な才能を少し隠しておけばよかったなあ。そうすれば、静かに、気楽に仮眠もできたんだが」しかし、従兄のユース...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第14話

一番隅っこの方まで、その人がにっこりと笑うだけで、まるで炎や火花に照らされたかのようにパッと明るくなるのでした。マイダスは宝物庫の錠前をしっかり閉めていたこと、そして人間の力では絶対にここへ侵入できないことを知っていましたから、この人物はた...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第15話

彼は自分が行っている奇跡をもっとはっきりと見るために、窓掛けを一枚引き寄せましたが、窓掛けの房が手の中で重くなったと思うと――もう金のかたまりになっていたのです。彼は机から一冊の本を手に取りました。ちょっと触れただけで、その本は最近よく見か...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第16話

だのに、まあ、まあ! どんなことになっていたと思って? とてもひどいことになっちゃったのよ! あんなにいい匂いがして、あんなにとりどりの綺麗な紅色をしていた美しい薔薇が、みんな病気になってめちゃめちゃになっちゃったのよ! これ、この通り、み...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第17話

「お金さえあれば他には何もいらない」という考えが本当に正しいのか、それとも世の中で一番欲しいものが本当にお金なのか、自信がなくなってきたのです。しかし、そんな考えもほんの一瞬のことでした。黄金の輝きに対するマイダスの執着はあまりに深かったの...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第18話

しかしあなたはまだ、誰の手でも届くような所にある極く平凡なものの方が、大勢の人たちがそれを欲しがって溜息をついたり、争ったりしている財宝よりも貴いのだということがお分かりのようですね。さあ、あなたは心底から、何でも金に変える力を捨てたいと思...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第19話

「その代わり、金にしたものが気に入らなかったら、左手の人差し指で元通りにできるなら、いいと思うわ。もしそうなら、今日のお昼からでも早速やってみたいことがあるの!」「どんなことか聞いてみたいね」とユースタスが言いました。「だって」とペリウィン...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第20話

橇(そり)で方々を乗り回したり、丘の上から谷へと滑り降りたり、いろんな雪だるまを作ったり、雪の砦(とりで)を築いたり、雪合戦をしたりすることができるのです!だから子供たちは吹雪を祝福し、それがだんだん激しくなるのを見ては大喜びしていました。...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第21話

「一体、あの箱はどこから来たんでしょう?」と、パンドーラは始終独り言を言ったり、エピミーシウスに尋ねたりしていました。「そしてまた、一体あの中には何が入っているんでしょう?」「いつもこの箱のことばかり言ってるんだねえ!」と、エピミーシウスは...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第22話

その口元は、まるで生きている人の口と同じように、笑おうと思えば笑い出し、真面目な顔をしようと思えばそうもなれそうな気がしました。実際、その顔つき全体がとてもいきいきとしていて、どちらかといえばいたずらっぽい表情を浮かべており、今にもその木彫...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第23話

』そこで彼女はその金の結び目を指につまんで、出来るだけはっきりと、その込み入ったところを調べて見ました。殆どそんなつもりもなく、また何をしようとしているかもはっきりとわきまえないで、彼女はやがて一生けんめいに、それをほどきにかかっていました...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第24話

というのは、できることならパンドーラの背後にしのび寄り、彼女が気づかないうちにその花輪を頭に投げかけてやろうと思ったからです。しかしちょうどその時、彼はそこまで抜き足差し足で歩く必要もありませんでした。彼がどんなに大きな足音を立てたとしても...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第25話

「あれは一体何でしょう?」パンドーラはそう叫んで、頭を上げました。しかしエピミーシウスは、そのトントンという音が聞こえなかったのか、それともあんまり腹を立てていたので気がつかなかったのか、とにかく彼は何とも答えませんでした。「あんたひどいわ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第26話

それは本当のことなのですから」「わたしたちはあなたを信じるよ!」とエピミーシウスとパンドーラは声を揃えて叫びました。そして彼らは、本当にホウプを信じました。いや、彼らばかりでなく、その後この世に生まれた人は誰でも、その通りにホウプを信じてき...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第27話

ちょうど穴が出来上がり、みんながその中にぎゅうぎゅう詰めになった時、運悪く屋根が頭の上に崩れ落ちてきて、一人残らず生埋めになってしまいました! すぐにみんなは崩れた穴の中から小さな頭をにょきにょきと出しましたが、その真ん中にいた背の高いユー...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第28話

「しかし、一番苦手だなと思う相手こそ、若い書き手にとって最もありがたい批評家ではないかと私は思うんだ。だから、ぜひ私に聞かせてくれたまえ」「批評家には、いくらかの『同情』も必要だと僕は思うんですけれどね」ユースタス・ブライトは、つぶやくよう...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第29話

そうして何の気もなしに軽く叩いただけなのに、その大きな石はガラガラと砕けてしまいました。こうした巨人のような力仕事をするにも、その見知らぬ人には、娘の一人が花で姉妹の頬をなでるくらいの力しか必要なかったのです。「こんなふうにどんとやれば、あ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第30話

「あなた方が僕の名前を知ったからには、ヘスペリディーズの庭へはどう行けばいいのか、教えてくれませんか?」「ああ、そんなに急がなくてもいいじゃありませんか!」と彼女たちは叫びました。「あなた、これほど数々の素晴らしいことを成し遂げ、そんなに骨...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第31話

三つ頭の犬から、すぐにまた何になったかというと、あの六本足の怪人ジェリオンで、掴まれている足を振りほどこうとして、残りの五本の足でハーキュリーズを蹴りつけました! しかしハーキュリーズは、やっぱり掴んだままでした。やがてジェリオンの姿が見え...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第32話

「僕は今までたくさんの巨人を見てきた」とハーキュリーズは考えました。「しかし、こんなに大きなお椀でお酒を飲まなければならないような巨人を見たことはないぞ」そして本当に、それは驚くほど大きなお椀でした! それはとても、とても大きくて……いや、...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第33話

彼の頭は夕立よりもずっと高いところにあったので、髪の毛一筋にも雨のしずくはかかっていなかったのです!巨人はハーキュリーズがまだ海岸に立っているのを見ると、彼に向かってまた怒鳴り出しました。「わしはこの世で一番力の強い巨人アトラスじゃ! そし...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第34話

「それで、その金の林檎は取れたのかい?」「ああ、もちろんだとも」アトラスは答えました。「なかなか見事な林檎だろう。木になっていた中でも一番立派なやつを選んできたんだ。ああ、ヘスペリディーズの庭というのは本当に美しい場所だよ。そうそう、百の頭...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第35話

そもそもギリシャ神話というものは、スケールの大きな話であっても、全体に漂う上品さによって、決して度を越さないように配慮されているものなんだよ。」「僕はただ、その巨人を自分の思い描いた通りに話しただけです」学生は少し腹を立てて言い返しました。...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第36話

実は、子供たちの中でも年下の子たちは、この丘の長い登り道が、自分たちの小さな足では最後まで登りきれないということが分かってしまったのです。そこで従兄のユースタスは、ほかの連中が頂上まで行って帰ってくるまで、登り道のちょうど中腹あたりに、スウ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第37話

そんな旅人たちは、この村の不親切な人々や、意地悪な子供たち、そして恐ろしい犬たちがどんな仕打ちをするか一度知ってしまうと、二度とその村を通ろうとはせず、わざわざ何マイルも何マイルも遠回りをしていくのでした。これ以上悪いことはないと思うでしょ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第38話

「翼の生えた杖だなんて! こんな杖は、小さな男の子がまたがって遊ぶのにぴったりの乗り物になりそうですよ!」この時、フィリーモンと二人の旅人は、すでに家の戸口までたどり着いていました。「さあ、お二人さん」と老人は言いました。「このベンチに座っ...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第39話

ほんとうにまあ! 普段はなんとも思いませんが、こうしてお気の毒な旅の方が立ち寄ってくださった時ばかりは、貧乏なのが悲しくなりますわい」「万事うまくいきますよ。心配無用だ、おばあさん」と年上の旅人は優しく言いました。「本当に心から客を喜んで迎...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第40話

ああ、それから蜂蜜ときたら! 僕はここで、それがどんなにいい匂いがして、どんなに美しい色をしていたかをくどくどと説明しないで、そっとしておいた方がいいかもしれません。その色は少しも混じりけのない澄み切った黄金色で、匂いといったら、千もの花を...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第41話

フィリーモンは彼らに、ボーシスが牛の乳を搾り、囲炉裏で菓子を焼き、それから多分いくつか産みたての卵を見つけて朝食の用意をするまで、もう少し出発を延ばすようにと親切に勧めました。しかし客たちは、暑くならないうちにたくさん歩いておいたほうがいい...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第42話

「さあ、お前たちの家の方を見てごらんなさい!」二人は言われるがままに家の方を振り返りました。しかし、そこには驚くべき光景が広がっていました。ついさっきまで彼らの古びたあばら屋があった場所に、玄関が大きく開かれた、白い大理石の立派な建物がそび...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第43話

そうしたさまざまなものは、とても古びて見えましたが、森全体は今まさに生まれたばかりの生命に満ちていました。なぜなら、どこに目を向けても生々とした緑色の芽が吹いていて、今にも夏を迎えようとしていたからです。やがて、ユースタスと子供たちは森の端...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第44話

「わざわざピリーニの泉を見つけるためだけに、こんな遠くまでやってくるなんてね。それにしても、あんた、馬に逃げられちまったのかい? 手に手綱を持っているじゃないか。それも二列に並んだ宝石が光る、上等な品だ。もし馬がその手綱みたいに立派な代物だ...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第45話

「ええ、坊や」と、彼の巻毛の一つを冗談に引っぱりながら、ベレロフォンは言いました。「君は翼の生えた馬を幾度も見たんじゃないかね?」「見たよ」と、待ちかまえていたように、子供は答えました。「僕は昨日もそれを見たし、その前にだって幾度も見たよ」...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第46話

彼がはるばるリシアからギリシャまでやって来て、美しく飾られた馬勒(ばろく)を持ってきたのも、すべてはこのためでした。その馬勒には、魔法がかけられていたのです。もし彼がペガサスの口に、うまくその金のくつわをはめることができさえすれば、翼のある...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第47話

こうして心ゆくまで水を飲み、贅沢好きが美味しいものだけを少しずつ味見するように草をつまむと、翼のある馬はあちこち跳ね回ったり、まるで退屈しのぎか遊び半分かのように、踊り始めました。このペガサスほど、飛んだり跳ねたりすることが大好きなものはい...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第48話

これまでペガサスが送ってきた自由な生活を考えると、もし彼が本当に自由を望んでいるのなら、こうして手綱で縛り付けておくのは忍びないという気持ちが湧いてきたのです。急に胸に込み上げてきたそんな義侠心に駆られて、ベレロフォンは魔法の手綱をペガサス...
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初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第49話

彼が合図を送ると、ペガサスはそれを理解して、ゆっくりと空を舞い降り、ついにその蹄が谷底の岩場から、人間の背丈ほどもない高さまで近づきました。前方の、石を投げれば届くような場所に、三筋の煙を吐き出す洞穴の入り口がありました。そして、その洞穴の...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第50話

その進撃はあまりに速く、あっという間にベレロフォンは敵と真っ向から組み合っていました。 二番目の首を落とされたカイミアラは、あまりの痛さに火がついたようにのたうち回り、狂い叫んでいました。 あまりに激しく転げ回り、飛び跳ねるものだから、一体...
ホーソーン ナサニエル

初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第51話

みんな目を輝かせていましたが、プリムロウズだけは違いました。彼女の瞳には、本当に涙が浮かんでいたのです。というのは、ほかの子供たちにはまだ小さくて分からないような、この物語の中に隠されたあるものに、彼女は深く感動したからでした。子供向けのお...
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